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- 2023.09.15 Friday
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氷点下の街へ出かけて行く、
相当な覚悟もあったし不安もあった。
飛行機で向かったのは釧路空港。
外の気温は-3.3℃。まぁじゅうぶんに寒い。
どうして晴れているのにこんなに気温が低いのか?
バスに揺られて市内へ着く頃には-5℃まで下がっていた。
とにかく荷物をフロントに預けて街を歩いてみようと、
こんなに寒い中で自分がどれだけ生きられるのか?
と言うわけでホテルのチェックインまでの時間を潰すために、
シネコンがあるショッピングモールへ出かけてみることにした。
この時点でもう少しちゃんと経路を調べるべきだった。
駅前からどれくらい離れているのか調べるべきだったのだ。
止せば良いのにその寒風の中を僕は45分も歩くことになる。
途中で道を聞こうにも歩いている人なんてひとりもいない。
ニット帽をスーツケースに入れたままだったので、
耳がね、取れちゃうんじゃないかと思うくらい痛くなって来た。
でも何日か後に-15℃を経験してからは一桁の氷点下には驚かなくなった。
キンキンに冷えた風が吹いている-1℃は、
暖かく感じられるように身体が順応して行った。
戻って来た東京の気温は10℃。
さぞ暑くて汗かいてヒーヒー言うだろうと、
誰だって思うだろう気持ちで空港に降りたのだけど、
何故だろうか?東京の10℃はそれはそれでしっかり寒かった。
20℃近い気温差があると言うのに、
やっぱり寒いのだった。寒い。
一つだけ学んだことがあるとすれば、
人は案外そういう差異の中で、相対的なことで、
判断して反応するように出来ているんじゃないかってこと。
-15℃を体験すれば、-1℃は暖かく感じるし、
例えば今日、日中の12℃から下がった2℃はやっぱり寒いと思うのだ。
無意識な外的な要因でこれだけ判断が変わってくるのだとしたら、
人の心が変わっていくことなんてむしろ当たり前な気がした。
そう思ったらとても気が楽になったんだよね。
ここ最近抱えていたことに対して、すごく気が楽になった。
そんなことを道東Daysの中で、頭ではなく身体で、
感じていたわけです。
釧路でも帯広でも「夕焼け」を歌ったのはそのせいなんです。
あの曲の元は二十代の頃に作っていたとても古い作品だけれど、
テーマとして歌っていることがリアルに見えたのはつい先日だった。
この旅の最中に、やっと自分の歌になった気がしたんだよね。
それだけでも行って良かった。
迎えてくれた皆さんが、そこへ導いてくれたんだ。
ありがとう。
見た事のない広大な湿原。
思わず立ち止まった夕景。
その土地に暮らす生き物。
出会いはなにも人に限らない。
その街の風を肌で感じ、
その道をこの足で踏む。
そんな他愛ない時間が、
身体の中に確かに何かを、
刻み込んでくれる。
心の中のスペースを少し、
昨日より広くしてくれる。
モノを作る者にとって、
かけがえのない経験。
前回、借りた車で自走して、
どれだけ広いのかを体験した北海道。
移動にかけた時間と体力を、
経験と対比して理解したつもりでいた。
それだって気温と同じことだ。
身体で感じるまで、沁み込んでは来ない。
自分の物差しの通用しないスケールの出来事、
そういうモノに出会うと人は謙虚になる気がする。
そうならざろうえない気がする。
ひとくちに「自然」と言うけれど、
どう転んでも太刀打ち出来ないものが、
あるべきものがあるべき姿でそこにあるのを見てしまったら、
もうね、ぐうの音も出ませんて。
そう、あるべきものがずっとそこにある、
ただそこにあってそれを受け入れている街。
それが釧路という街のイメージ。
対して帯広は耕す街。
拓き耕された広大な農地。
どこまでも続くのは人が拓いた畑。
そこで何かを作って生活している、
そんな人たちが住んでいる街。
それが帯広の印象。
もっともっとゆっくり出来ればいろんな側面を、
見て感じて回りたいんだけど、今は感じたことを正直に。
今まで思い込みで見逃していたことのなんと多いことか。
毎晩毎晩歌って、翌日には次の街への移動。
それが当たり前だと思って走り続けて来たけれど、
この旅は同じ街に留まることが出来る日程だった。
最近はなるべく前後に余裕を持たせて同じ街にいて、
会場の空気以外の素顔のその街を歩くようにしているけれど、
そんな気持ちがまさか北海道で大きな実りを与えてくれようとは。
とても良い旅でした。
いろんなドアを開けてくれた旅。
それを作品にしてその街へまた持って帰るように、
繰り返し、繰り返し。
そう思っています。
何しろ、ありがとうございました。
次の作品を楽しみにしていて下さい。
1/11羽田空港
どうしてもこういうポジションに目が行ってしまう。
本体だけあったって、何処へも飛べやしない。
ライヴも飛行場も、材料が違うだけで一緒だと思う。
釧路着。
うろうろしてたら連絡バスに乗り遅れた。
外へ出て見たらこの表示。とても寒かった。
イオンからの帰り道、寒さに負けバス停でバスを待っていたら、
ゆっくりと日が沈んで行った。
こんな街中で見ても釧路の夕陽は美しい。
深夜にコンビニへ買い物に行くと、
道路がまるでスケートリンクになっていた。
少し希望は持っていたのだけれど、
冬に自分の車で来ることを早々に断念した瞬間。
1/12 釧路HOBO
待っていてくれる人がいる。
今回の釧路は風邪が大流行り、インフルエンザの人もいて、
全員集合とはならなかったけどたっぷり歌いました。
再会はね、本当に嬉しいもの。
マスターがこれでもかと出してくれた打ち上げのお料理に、
なんとイクラ丼の登場。
去年辺りから採れる量が減り高騰しているイクラ。
それなりに経済的な不安を持ってのツアーだったので、
すっかり魚介類を諦めていた僕は狂喜乱舞するのでした。
1/13
日曜日にオフという、通常では考えられない日程の中、
ホテルでボーッとしていた僕を釧路湿原へ連れてってくれたマスター。
丹頂鶴やオジロワシ、キツネに鹿、いろんな動物と出会い、
この絶景。
くねくね流れている釧路川にはネィティブなニジマスが泳いでいるはず。
すごい景色でした。もう自分の目盛りじゃ測れない景色。
1/14 会場対岸の釧路川。
凍ってる。
一級河川が、凍ってます。
「ほら、流氷だよ?」って言われたら信じてしまうくらい凍ってます。
車から降ろしたばかりのマイクスタンドも、凍ってる。
こんなに冷たいスタンドに触ったの、初めて。
友達のカナト。
一緒に演奏したりもします。
段々と出来て行く会場の様子。
冒頭マスターのバンドが演奏に上がってしまったら、
P.A卓に誰もいなくなってしまう、と。
働かせて頂きました。エンジニア龍麿の貴重な一枚(笑)
HOBOのゆきえさんが「今日の日の入りは16:11です」
って教えてくれるくらいの快晴な上に、
会場の外は有数の夕陽スポットだった。
だった、のに、
その時間ちょうどタイムテーブルの中休み、
マスターと一緒に何か演りましょうよと、
日没の時間と丸被ってステージにいたわけです。
慌てて飛び出して行った目の前にはこの景色。
寒さを忘れるくらいの素敵な夕焼け。
音楽祭の打ち上げはHOBOで。
初めて聞いてくれた方も沢山いたし、
旧知の方ともゆっくり話せた貴重な時間。
楽しかったなぁ。また出たいなぁ(笑)
1/15 釧路から帯広へ汽車移動。
のんびりと、ひたすらのんびりと三時間半。
車窓からキタキツネが見えたりもします。
何しろ自分で運転しない移動ってホントに珍しいからね、
本を読んだり外を眺めたりゆっくりと楽しみました。
この日は帯広に前乗りだったのでライヴは無し。
六年前に結構無茶なお願いをしてお世話になった源さんのお店、
B♭M7に挨拶に行きたかったのです。
ここ数年お店の近くに泊まっているので何度か足を運んだのですが、
お店がお休みだったり源さんがどこか遠くに行っていたり。
やっとお礼を言いに寄れたので胸の支えが降りました。
源さんの弾くJazzは優しくて楽しい。
Jazzと言うと難しい顔で難しいことを弾くイメージですが、
とにかく楽しそうに弾く源さんのベースは六年前と変わらず優しかった。
ありがとうございました。機会あれば是非またライブを!
その後もう一軒ゴキゲンなお店(何しろ名前が「絶好調」)に寄って、
初対面の方々と大いに盛り上がって気がつけば02:00。
夜になって降り出した雪は街を真っ白に塗り替えています。
出来ればもうふた晩くらい居たかった帯広。
次のツアーでは絶対に釣りをするんだ。
1/16 帯広音戯屋
真ん中にいるのは七年前に帯広で初めて歌わせてもらったお店、
HomeBoundをやって居た高田さん。
2017年に「どうしてももう一度帯広を演りなおしたい」と相談した僕に、
この音戯屋さんを紹介してくれたのは高田さんなんです。
しかも高田さんもこのお店、以前からの知り合いでもなんでもなく、
いきなり飛び込みで交渉してくれたんだって。
このメンツでの打ち上げが楽しくないわけがなく、
って言ってもほとんどが初めましての方でしたが、
下手したら終わらないんじゃないか位盛り上がってしまいました。
昭治さんメグちゃん、ありがとうございました。
次回はもっとゆっくりと迷惑かけに行きますね?(笑)
1/17 とかち帯広空港
この日の朝から舞いだした雪は次第に本降りに近くなり、
市街地にいる間はちょっと心配しましたが無事に離陸。
あれ?羽のクマが違う絵だ!とか思って見ていたら、
またしてもこの係の方に目線が行ってしまった。
行きの便よりも感慨深い、そんな心境の変化もありました。
今回は北海道の翼AirDoで飛んだのですが、
このクマね、BearDoって言うんだって(笑)