リングサイドと紙テープに関するいくつかの考察

プロレス。


位置付けがとても微妙な世界だと思う。
プロレスリングとは言え、レスリングともちょっと違う。
アマチュアレスラーが必ずしもプロレスラーを目指すわけでもなく、
お相撲さんが突然デビューしたりする世界。
子供の頃は当たり前のようにテレビ中継があり、
お茶の間でもその試合を楽しめたものだった。
場外乱闘や血塗れの形相やパイプ椅子や凶器もあったり。
それはそれはおどろおどろしい肉体のぶつかり合いで、
なのにプロレスごっこなる遊びまであったくらい市民権を得た、
ひとつのジャンルとしてそこにあるものだった。

 

 

様々な人のお招きがあって初めて生で観戦させて頂いた
NOAHという団体の後楽園ホールでの興行。
この日は九年前、試合中に亡くなられた三沢選手のメモリアルで、
東側の壁には大きな三沢選手の写真が掲げられていて、
若手の選手が試合後にその写真に向かって一礼していく姿は、
なにも前知識の無い自分でも胸が熱くなるものがあった。
それは音楽に置き換えたら自分と師匠の関係にとても近いし、
先陣に対する敬意を人目を憚らずに表せる気持ちが、
もうそれだけでドラマを想像させる熱いシーンだった。

 

 

でも、例えば国立競技場にサッカーを生で見に行っても、
グランドで起きていることよりも応援席で起きている、
あの旗を掲げるきっかけは誰が出しているんだろう?とか、
ボールが回って来ていない時の線審の動き方とか、
そんなことの方が気になる性格故、
今回の後楽園ホールも試合はもちろん楽しめたのだが、
レフェリーの動き方やらカウントの入れ方やら、
次に対戦する相手を見極めにリングサイドに来ていた選手の、
その視線の向け方や何を注目しているんだろう?やら、
果てはゲストで来ていた小橋選手のマネージャーの動きやら(笑)、
そんな意味でのリングサイド的出来事がとても面白かった。

 

 

プロレスと言えば、紙テープのメッカと言っても過言ではない。
どこで入手して来るのかは分からないが、
みんな自分の応援している選手のテーマカラーの紙テープを、
それはもう見事にリング上に投げ入れるのである。
実際に見に行って分かったのだけど、客席とリングは遠い。
あの距離を綺麗な弧を描いて紙テープを投げ入れるというのは、
もはや特殊技能に近い才能とも受け取れる。
ここに至るまでどんな練習を重ねてきたのかと思わせるほど、
紙テープを用意されている皆様の投げ方は上手かった。
これは一見の価値があると思う。
当たり前だがその選手の人気に比例してその量は増え、
試合によっては手も付けられないほどの紙テープが会場を舞う。

 

 

リング上でのレフェリーのもっとも大事な仕事と言えば、
それは投げ込まれた紙テープの素早い撤去に他ならない。
相当数の達人たちにより投げ込まれたテープを、
試合前に素早く的確に撤収し、何も無かったような状況に戻す。
右手も左手も、時には足すらも使い、
引っ張り様によってはダラダラと転がり続ける紙テープを、
あっという間にリングから抹殺するという、
それこそがレフェリーの腕の見せ所ではないかと、
今回ライブで観戦した僕は強く思ったのだった。
時折、仲裁に入られたことを良しとしない選手に投げ飛ばされたり、
はたまたカウントの入れ方が若干遅すぎるんじゃないかと蹴られたりして、
あぁこれってホントに痛そうだなぁ、一般人がやられたら死ぬなぁ、
と選手以外の体格の人間が技をかけられたと我々に想定させてくれ、
その痛みを共感させてくれるのもとても大事な仕事だけれど、
そんなことは紙テープの処理の重要さに比べたら到底及ばないだろう。

 

 

その選手ごとの色合いで紙テープが宙を舞いながらリングに落ちる。
それは本当に素敵な光景だった。
飛び交うテープの数だけの職人的投げ手がおり、
それを一瞬で片付けてしまえるレフェリーが待ち構える。
これを信頼関係と呼ばずしてなんと呼ぼう?
こんな視点で見させて頂いた生のプロレスリング、
僕は本当に楽しかったです。
これ以外にも音響のセッティングや照明の演出や、
SEがかかるタイミングのキュー出しや観客席の野次とか、
書きたい事は山ほどあるのです、あるのですが、
今回はとにかく紙テープに論点を絞って初生観戦させて頂いた、
NOAHのプロレス体験をお伝えしてみました。

 

 

一番綺麗だったのは、
三沢選手に捧げるテンカウントの際にリングに投げ込まれた、
二色の緑の紙テープ。
空中で混ざって三沢選手のテーマカラーのエメラルドに、
照明に照らされて輝いていました。
良い体験をさせてもらっています。
それもこれも周りに居てくれる人、あってのこと。
日々感謝です。
今日も読んでくれてありがとう。
また書きます。

 

 


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  • 2020.03.19 Thursday
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