昼休み、小学校の校庭に子供達が遊んでいる。
そこへ先生の声が響く。
「○○く〜ん、帽子とマスクしなきゃ遊んじゃダメ〜!」
俺はあわててツーランから帽子を借りてポケットに入れてたマスクをする。
そしてサッカーをしている一団に近づき、
R「ねぇ、帽子とマスクしてるから先生には怒られないよね?」
子「うん、だいじょぶ」
R「一緒にサッカーしていい?」
子「うん」
どんな制約があろうと子供達の元気は止まらない。
こちらの今の体調ではとてもじゃないが付いて行くのがやっと。
途中散りかけた桜の木にボールが当たり、
小さな枝が折れて落ちて来た。
それを見ていた子がその枝を樹の近くに穴をほって植えていた。
子1「もうだめだろう、それ」
子2「ちゃんと咲くかもしれないだろ」
R「ちゃんと咲くかもしれないよね」
子1「ほらぁ〜みろ〜」
良く晴れた、福田小学校校庭での出来事。
命の大切さは彼らだってよく分かっている。
昨日また福島へ行ってきました。
今回は
岡野龍介くんのキャラバンに同行させてもらいました。
彼が龍ちゃん。
ま、俺も龍ちゃんなのですが(笑)
こっちがとりあえず本命の龍ちゃん。
そして彼と俺を繋いでくれたのはレストランココモのツーラン。
この人が唯一無比の、ツーラン(笑)
釣りやらバーベキューやら、まぁ近所の遊び仲間です。
今回は由比ケ浜近辺の仲間達、
龍ちゃん(発起人)
ツーラン(ココモ店長)
モリカツ(ココモ店員)
ノブさん(長谷ミドルズ店長、高校の先輩)
中澤"Gatz"信栄(歌唄い、かつての同居人)
俺
という六人で福島県相馬市へ炊き出しに行ってきました。
まず前日みんなで手分けして切った野菜やらだしのスープやらを
二台の車に積み込みます。
パンパンです、荷台。
隙間に人が乗る感じ。
まず目指したのは龍ちゃんが連絡を取っている現地の方、
新妻香織さんのお宅。
ここは松川浦と相馬港の間の小高い丘の上なのですが、
途中には、
信じられないですが船がうち上がっています。
これは中でも大きい一艘ですが周りにも6,7艘、打ち上げられています。
打ち合わせのためにお宅に御邪魔してお茶を頂いたりしたのですが、
その窓から見える景色は
写真なんかじゃ伝わりにくいですが分かりますか?
手前のお墓以外はみんな崩れてしまっている。
津波はすぐ目の前まで押し寄せていて、
片付ける前はここが瓦礫の山になっていたそう。
間一髪、難を逃れたこのお宅。
でも新妻さんの実家は跡形もなく流されていまったそうです。
今回行くのはその新妻さんが連絡を取ってくれた福田小学校の避難所。
120人くらいの方が寝泊まりしていらっしゃる体育館。
そこでGatzが実家のおかみさんから譲り受けたレシピに従い、
大ちゃんこ鍋の炊き出しをするというがメインテーマです。
まずは火起こし。
ボーイスカウトだったGatz、手際よく火を起こしていきます。
薪を割るノブさん。ガンガン火を起こす。
赤いエプロンで今にもボートを漕ぎそうな人が新妻さん(笑)
仕込んだ具材を順番に鍋へ投入。
ちゃんこ鍋の完成でごわす。
これね、すんげぇ旨かったです(自画自賛)
喜んでもらえたかな。どうだったかな。
昼間の避難所にはお年寄りの方が多く残られており、
ダイナミックに切った野菜が少し大きすぎやしないか、
とかとか色々気をもんだんですが、
みんな喜んで食べてくれていました。
良かった良かった。
メインの仕事が一段落したところで、
今回はみなさんに歌を聴いて頂ける事になった。
嬉しい。
でも事情はどうあれ、
これはひとのお宅に御邪魔して上がり込み、
じゃかじゃか歌を歌う行為に他ならないわけです。
「唄わせて頂く」というのはこういうことなんだなぁと、
改めて実感しつつ二曲、唄ってきました。
画像は唄っているGatz。
少しお話したところ、
もうすぐ仮設住宅が出来上がり、
そちらに移られるらしいですが、
俺もGatzも過去に火事の被災経験があり、
単位は小さいながらも感情移入しないわけにはいかない状況。
歌が、少しでも気持ちを和らげる事が出来たなら、
そう思って唄いました。
片付けも終わり、一旦新妻さん宅へ戻ります。
ご主人も一緒に一枚記念撮影。
後ろにちょびっと写っている赤いチューリップは、
「本数が少なくてね、咲いたら読めなくなっちゃった」
とおっしゃっていましたが、
「愛」
という字をかたどり植えられていた。
ひとつひとつが心に刺さる。心に残る。
このあと、龍ちゃんが預かって来た物資を届けにみなと保育園へ。
ここは新妻さんの家よりもかなり低い場所にあり、
ちょうど伺ったときは先生方が津波によって下水に溜まった泥を、
文字通り泥だらけになって運び出している作業の真っ最中。
当時は園児を全員保育園の屋根の上に避難させたんだよって、
園長さんは話してくれました。
これが保育園のある道の一本下の道路。
怖かっただろうね。
でもみんな無事で良かった。
こういう人達の事はなかなかニュースにならないけれど、
ちゃんと子供を守っている大人だっているんです。
もう一カ所、相馬保育園にはぬいぐるみを届けにいきます。
これも龍ちゃんがみんなから預かった大事な物資。
「今ぬいぐるみを抱えて離さなかった子がいたでしょ?
あの子はおじいちゃんもおばあちゃんもひいおばあちゃんも亡くなって、
家も流されてしまったもんですから、あの子個人のものっていうのがね、
今はなにもないんですよ、みんなで共有するものばかり。
だからあのぬいぐるみはね、あの子だけのものにしてあげたいの」
先生がそう話してくれました。
元気に見える子供達の中にも、
色々なものが渦巻いているんですね。
しっかりケアしてくれる先生方がいて良かった。
その先生方の中にも当然被災されている方はいるわけで、
もうぐちゃぐちゃな生活の中、子供達を守ってくれている。
冒頭の画像で龍ちゃんとツーランがかけている手作りメダルは、
この保育園の子供達がかけてくれました。
みんなありがとうね、元気でまた会おうね!
壊滅的な打撃を受けてなお、
人々はこの街でくらしています。
二度と自分の家には戻れない人も、
残った家を何とか住めるようにしよとする人も、
間違いなく息の長い支援の手が必要。
俺はこれからも機会があれば直接現場に出向き、
生の温度を感じてそこで出来る事をしていきたい。
その中に唄う事が含まれるならば、
喜んで唄いたい、そう思います。
明日はマミマロでライブです。
会場 T's Housing 藤沢市辻堂東海岸4-2-18 0120-073-134
時間 19:30〜
参加費 1000円〜
当日集まった参加費、物販費は全て福島の被災地へ直接届けます。
よかったら遊びに来て下さい。
沢山の方が俺の体調を心配してくれて連絡を貰っています。
ありがとう、俺は元気です。
みんなに心配をかけない程度に頑張ります。
つまりはかなり頑張ってみます(笑)
今日も読んでくれてありがとう。
遭えれば、明日、ね?
それじゃ!
追記
鎌倉に着いた深夜、
ちょうど石巻から戻って来た麻心のシンジ君と遭遇。
お互いの報告がてら、お店でお疲れビールを頂きました。ごちそうさま!
福島県相馬市、宮城県石巻市、
それぞれの街への支援や一緒に行動したいと考えている方がいましたら、
こちらからでも構いません、ご連絡下さい。ちゃんと紹介します。