終わってみれば1,200km。
まぁ良く走ったもんです。
9/25の明け方から福島を目指して走り出し、
9/30に日付が変わる頃帰宅するまでの五日間。
ほんの短いトリップではありましたが、
色んな事情により行ったり来たりの行程になってしまいました。
藤沢集合→福島県相馬市→東京下北沢→茨城県日立市→栃木県宇都宮市→また下北沢→家
もしもメンバーが一緒だったらこんなツアー組んだら怒られますよ、きっと(笑)
ちょっと写真が多くなりますがこの五日間、振り返ってみましょう。
藤沢のCane'sの閉店に合わせて04:00に集合した同志七名。
途中、福島駅で小川軒のちゅうそん中村氏と合流し、
八名で相馬市へ向かいました。
チャリティーで集めた飲料水資金を、その手で届けに行く。
これだけでも実に温度のある行為。
今回、いままでは入れなかった浪江地区にも入れるとの情報があり、
この目で様子を確かめに行こうと(特にうちはテレビがないので、見ないと何にも分からないのです)
前回はここにバリケードがあり、
完全に封鎖されていましたが、
普通に浪江役場辺りまでは車で走れるようになっていました。
でも、何がどうして入れるようになったのか?正直よく分からない部分が多いです。
そこまでの道のり、見える風景からは、
ほぼ何も変わっていない印象しか受けていないし、
除染された廃棄物が民家の庭先に放って置かれているのをみると、
いったいどうなってしまったんだ?という疑問しか浮かばない。
浪江町の、国道六号より海側の地域。
人っ子一人いない上に、曲がったままの電信柱。
山側の区域は線量が高いから近づくなと、地元の方から言われていたので、
僕らは海側のみですが車で走ってみることにしました。
一番奥に見えるのが国道で、
そこまでの範囲はまるでつい最近津波が来た様な、
泥だらけの状態がずっと続いています。
もう二年も経っているんですよ。
なのに手が付けられない。
やっと人が入れるようになったとは言え、
それは安全が保証されての事ではない気がする。
小高駅近くの線路だって、あのまんま。
必ず帰って来るって願っていたお菓子屋さんの前。
これは去年の今頃のこの黒板です。
何も変わっていないばかりか、
むしろどんどん街が風化していってしまっている気がします。
小高地区に関して言えば、
僕らが行った時にも何件かのお宅に片付けに帰ってこられている方を見かけましたが、
電気が戻って来ているとは言え、多くの水源は自宅にある井戸らしいのです。
戻って来たい気持ちと、状況とのギャップはまだ全然埋まっていないように見えました。
あとから市の職員でもあるガイガー柚原さんに色々聞いたのですが、
実際のところ山側には線量の高い地域があって、
なかなか出入りは厳しいらしいし、
かといって立ち入りが許可されているので、
寝泊まりをしていたとしてもそれを規制するのも難しく、
ということは個人の判断でしか決められなくなってしまっている様な。
しっかりとしたことを提示出来ない国。
メディアによってこの事から目を逸らされてしまう僕達。
全ての人がこの状況を生で見るのは難しいとは思いますが、
ほんのひとかけらでもここで伝わればと思い、
何点か写真を載せました。
別に必要以上に悲惨さを伝えるつもりはないですし、
かといって感情移入して励ましてみるつもりもない、
ただ、ありのままが少しでも見えたならいいなと思います。
さて浪江を経由したもんで大幅に遅刻しながら相馬の塩沼邸へ。
久しぶりの再会。
広い庭でBBQを食べながら近況報告。
相馬には山もあり海もある、本来はもの凄く素敵な環境なんですね。
こうやって色んな場所を訪れると本当にそう思います。
がしかし、ここまでほぼ無睡眠状態の藤沢チーム。
これ以上は食べられないってくらいに肉も焼きそばも食べて良い感じに酔ったのはいいが、あれ?このままでは全員夜まで保たないぞ?という判断で
一旦ホテルにチェックインして休憩しましょうという事に。
そしてホテルで二時間くらいの仮眠のあと、
川合治療院の川合くんが
「あぁ、喉乾いたっ!」
って起きて来たので、
「じゃぁラーメン食べに行く?」
という訳の分からないやり取りのあと、
ふたりで駅前のラーメン屋さん、「八香」へ。
ここ、相馬に来る度に気になっていたんです。良い匂いがしてた。
川合くんはあっさり、僕はこってり、
共に醤油味で¥500.(!)
これがね、美味しかったんだよね、実に。
あとでモリタミュージックの森田さんが「チャーシューメンも旨いんだ」
って言ってたので地元の人にもだいぶ評価が高いみたいです。
そして大詰め。
みんなが気を引き締めて望む飲み会夜の部@相馬101。
柚原さんも森田さんも来てくれて、
まぁ飲むわ飲むわ、空いた日本酒の一升瓶が五本!
田火田のソウちゃんのバースデーサプライズがあり、
心平のバースデーサプライズ+衝突事故もあり、
いつもお世話になりっ放しの塩沼さん御夫妻、
こちらが励まされるよな元気っぷりなのですが、
もちろん色々な事を考えてこの場所でお店を続けている。
言葉の端々に、思っている事が滲んでいる。
自分だけ助かろうとしてもしょうがない、
ここで声をあげて行かなければ何も変わらない。
そう言っていた目が、印象的だった。
シビアな話しもアホな話しもごちゃ混ぜな宴は午前03:00まで繰り広げられ、
翌朝はもちろん廃人のようにもそもそと起き出すのですが、
なんと下北沢の現場入り時間は15:30。
チェックアウトまでいたら多分間に合わないんですね。
で、チーム藤沢との別れを惜しむ間もなく慌てて車に乗り込み走り出します。
もう朝ご飯も昼ご飯も食べている余裕なんてなく、
福島西インターから一気にノンストップで現場の前へ。
なんとか無事に辿り着きました。
下北沢251。440のあるビルの地下ですね。
その日のイベントは「地下室の会」というベーシスト二百何十名から構成される、
ベーシストが主役のライブ企画なんです。
ベーシストのベーシストによるベーシストのための、会。
そこにイットさんも入れてもらったらしくて(良かった良かった)
今回トリオで呼んで頂くことになったわけです。
会場内には正面にあるメインステージの他、
右手にサブステージも作られていて、交互に演奏が行われる仕組み。
一口にベーシストといっても色んな方が居るんだなぁと、
既成概念を覆される様な演奏が続きます。
普段呼んで頂いて演るイベントとは、明らかに集まっている音楽の基準が違う(笑)
こんな機会でもなければご一緒出来ない様なミュージシャンと沢山出会えた。
面白かったなぁ、この企画。
更に可笑しかったのは、AcousticCampに参加していたベーシストの皆さんが、
なんと全員この「地下室の会」の会員だったという(笑)
密教かっ!って突っ込みたくなるような浸透度ですね、アハハハ。
全ての演奏が終わって、副会長の依知川さんが
「それでは今日出演したミュージシャンを.....」
って言うもんだから、あ、呼ばれるのかな?なんて思っていたら、
呼ばれたのはなんとベーシストのみだったという(泣)
ガハハハハ、ここまで歌唄いを放ったらかしの企画、見た事ない!
もはや気持ちが良いですよ、本当に。
こんな風にベーシストがクローズアップされる機会もあって良いんです!
いやぁ本当に面白かったなぁ、このライブ。
今度は是非お客さんで見に行きたい企画です。
会長の富倉さん、副会長の依知川さん、
そして会員のベーシストの皆さん、更にお客さん!
ありがとうありがとう!楽しい夜でした。
で、終わるや否や、また走り出す。
再び東北道に乗り、宇都宮のドラマーやす君の家を目指します。
途中、ほっと一息つくだけのつもりで寄ったサービスエリア、
ガッツリと「男飯」を頂きます。
998kCal。
なんとかヤス君の家に辿り着き、
そして翌朝、この風景。
関東平野の広さをどっぷりと味わいます。
家の東側にはこんなでっかい樹と広い空。
都会には住めないね、なんて話しをしながら眺める雲。
で、この日の会場、茨城県は日立市の「奏106」というお店に行きました。
が、その日の日立は何やらイベントが重なっていてお客さんの出足が遅い。
そんな状況なので一人カウンターで曲順を練っていると、
「是非、ご馳走したいお酒があるんです」
とマスターのせんださんが出してくれたのは、
なんと44度の焼酎。
こんなもの飲んだら弾けなくなっちゃいますよ、なんて言いながら、
客待ちの間に二杯も頂いちゃいました。
すんごく香りがあって後味も心地よい。
なので本番は結構いい感じの酔い加減で、
なおかつガツンと歌ってみました。
タハハ、初のセッションだというのに、ほろ酔い。
しかし楽しいライブだったな。
お互いの出方を探りながらもフロントラインをキープしつつ、
時折のグッと来る瞬間を逃さないように曲を転がしていく。
もうセッションの醍醐味満載の演奏でした。
残ってくれたお客さんと楽しく打ち上がり、
この日も深夜になってからヤス君ちへ帰宅。
翌朝は(って、もうお昼すぎでしたが)
ヤス君お勧めのラーメン屋「みうら」へ。
このラーメンがまた旨かった。
麺は手打ち、スープは深い醤油味、
チャーシューは薫製されていて香りがスープとぴったんこ。
毎日食べられるラーメンですね、これ。
あんまり食べ物ばっかり書いてるとまたグルメブログと言われてしまいそうですが、
旨いものは、旨いんです。
ちゃんと仕事もしたんだから(笑)
さて、宇都宮の現場です、WHIP SMART CAFE。
お?何やら隣にイカしたお店が!
これは、気になる。
気になり過ぎる。
中に入ってみると、感じのいいお婆ちゃんが一人で切り盛りしている。
隣でどんちゃか演らせて頂くので挨拶しつつ、
ヤス君が買ってくれたのは、
この懐かしい味。
なんだろな?どっかで飲んだ事のある、でも思い出せない。
そんな味のこの方達。我々のデュオのような出で立ちですね、ハハハ。
この日は前日の轍を踏まぬように、
なるべく早めに勝負を賭ける作戦。
というよりも、時間通りにライブを演っただけなんですが(笑)
まぁ盛り上がった盛り上がった。
ホントに暖かいお客さんに恵まれました宇都宮。
オーナーのタケちゃん、常連の皆さん、
ありがとうございました、僕も楽しく歌えました。
この日は二日目という事もあって、
ヤス君との演奏も曲を入れ替えたりして、
更にグッと来る感じのメニューに。
楽しんで頂けたみたいで嬉しいです。本当に嬉しい!
また近いうちに帰って来ますね。
よろしくお願いします!
この日、案外サクッと帰るつもりが、
近所にあるオブリガードというお店に寄り道。
ライブで使うマイクスタンドをここからお借りしてたんですね。
ミキサー卓を入れ替えたり、CDを聞いてたりするうちに
オーナーの小堀さんも登場してまた話しに花が咲く。
結局この夜も超深夜までワイワイやってしまいました。
店長の山木さん、ごちそうさまでした。
今度はライブをね、お願いしに来ます!
さぁ翌朝、宇都宮最後の食事は
うどん!
またこれがね、凄い麺でした。
お土産に生麺を買って来ちゃった程。
お店の名前は「笙家」
探して行ってみて下さいね。美味しいです。
この日はスケジュールには載せていませんでしたが、
下北沢で歌う約束になっていたのです。
先輩シンガー、Shimeさんのギタースクール、
その名も「六弦道場」の発表会のゲストで呼んで頂いたのです。
先だっての福島〜下北沢間の移動に比べれば、
まぁもう東北道も慣れたもんです。二時間弱で到着。
色んな方の演奏を聴いて、
最後の方にこれまたガツンと歌わせて頂きました。
ここも楽しい会でした。会場はいつも歌っている「Lown」だったし、
良い音の生ギターはそれだけでかなり気持ちが良い。
五日間の締めにシメさんに会う。
(しかも前日はシメさんも宇都宮の現場だったらしい)
心地よい疲れを抱えて家路に着きました。
五日振りに会うトレ蔵は、
玄関先でもう狂喜乱舞を絵に描いた様な歓迎っぷり。
ブレちゃってちゃんと写らないんだもの。
ただいま!トレ蔵!
ちょっと長い報告になっちゃいましたが、
こんな五日間、初の北関東ツアーの様子でした。
今週末はまた北海道へ飛びます。
で、帰って来たらRadio My Paceに
ポカスカジャンの省吾さんの企画で江ノ島虎丸座。
詳しくは
http://www.ryumaro.com/info.htmlこちらからご確認下さい。
またすぐ書くつもりですが、
今日も読みに来てくれてありがとう。
寒くなってきたので身体に気をつけましょうね!
ではまた!